愛媛の鯛めしレポート 伝統工芸 歴史建造物 郷土料理 

道後温泉、鈍川温泉、砥部焼

補修工事を終えた道後温泉本館が5年半ぶりに再開した道後温泉と、同じ愛媛県内にある鈍川温泉。そしてその周辺で味わっていただきたい郷土料理等のご紹介です。

道後温泉

今年7月、本館が5年半ぶりにリニューアルオープン!

道後温泉は約3000年の歴史があり日本最古といわれており、「道後温泉本館」はその道後温泉のシンボル的存在です。平成6年12月に公衆浴場で初めて国の重要文化財に指定されました。

その古さゆえに修繕が必要な時期が訪れ、2019年1月から大規模な保存修理工事が始まりました。それから5年半、2024年7月本館を含めた全館が営業再開しました。

訪れたのは、本館が再開してから3日目であり、3連休の初日。多くのメディアでニュースとして取り上げられたこともあってか、訪れる人々の数も多く、予想以上の混雑でした。

道後温泉本館

まず、入浴券を購入するための予約券を受け取るために、行列に並ばなければなりません。入浴券を買う順番がくると、スマホに連絡が来ます。さらに予約券のQRコードを読みこむと、あと何人待ちかがわかるようになっています。

本館の売り場は、入浴券を買う人と、予約券をもらう人と、案内するスタッフでごった返していました。

けれど、さすがにシステム化されていることもあって、館内はある程度の人数に抑えられていて、普通に入浴ができました。

数十年前にこの本館に入浴したことがありますが、そのときの印象は「汚い」です。
温泉体験の少なかった当時の私は、劣化して黒ずんだ木製の風呂場が汚く見えたのです。

今回新しくなった道後温泉本館は、木でなく、石のイメージ。改修されたばかりだから、当然きれいになったという印象です。

温泉地めぐりの体験を重ねた今は、ジャグジーや打たせ湯や露天風呂など、さまざまな趣向を凝らした温泉を知っているので、今回利用した一番安い「神の湯階下」700円のコースは、ちょっと普通過ぎて物足りない。。。
醍醐味を味わうには、グレードを上げるのが必須になるのかもしれないと感じました。

あと、浴槽に入る時の踏み石兼腰かけのような段差部分、幅が狭すぎて、視力の弱い人や高齢者は危険なんじゃないかな。
限られたスペースだから仕方なかったのかもしれないが。

道後温泉本館  詳細を見る
所在地:愛媛県松山市道後湯之町5番6号
アクセス:伊予鉄道電停松山市駅より伊予鉄道市内電車道後温泉行きで約20分/タクシーで約20分
休館日:毎年12月に大掃除のため、1日臨時休館あり

道後温泉周辺で食べられる郷土料理

鯛めし

愛媛には2種類の鯛めしがある! どっちが食べたい?

愛媛県の人気の郷土料理と言えば、なんといっても「鯛めし」です。
愛媛県は養殖マダイの生産量が日本一で、2006年以降は全国のマダイ生産量の半分以上を生産しています。
愛媛県の名物の鯛めしは2種類あって、県中部の「松山鯛めし」と県南部(南予)の「宇和島鯛めし」です。

鯛めし2種
(左)宇和島鯛めし (右)松山鯛めし

「松山鯛めし」は炊き込みご飯タイプなのに対し、「宇和島鯛めし」は醤油だしのタレに生卵をとき、鯛の刺し身と海藻、薬味などを混ぜ合わせて、ご飯にかけて食べます。
「松山鯛めし」が広く食べられていますが、観光客には「宇和島鯛めし」の方が人気があるようです。

宇和島鯛めし「もとやま」
「もとやま」の宇和島鯛めし

あと松山の郷土料理として有名なのは、じゃこ天や五色そうめんがあります。鯛めしの副菜としても提供しているお店もあります。

蛇口から出るみかんジュース

観光地のあちこちに出現! ちょっと不思議な体験。

郷土料理ではないですが、愛媛の名物としてメディアによく取り上げられているのが、みかんジュースです。
鯛めし屋の店先にも「蛇口からポンジュース」の機械があり、1杯200円で飲むことができます。
ポンジュースは昔から広く市販されている有名なブランドで、美味しさには定評があります。

蛇口からポンジュース

向かいのお土産物屋(えひめ愛顔の観光物産館)の店内にも別の種類のみかんジュース「蛇口をひねるとみかんジュースがでるんよ!」の機械が置いてあり、こちらは1杯100円でした。

そのほか、いろいろな場所で「蛇口から出るみかんジュース」の販売機が設置されているようですので、飲み比べをしてみるのもいいでしょう。

蛇口をひねるとみかんジュースがでるんよ!

宇和島鯛めし「もとやま」  詳細を見る
所在地:愛媛県松山市大街道3-2-37
営業時間:11:00〜21:00

えひめ愛顔の観光物産館  詳細を見る
所在地:愛媛県松山市大街道3-6-1
営業時間:9:00〜18:00

アクセス:ともに【電車】伊予鉄道 大街道駅より徒歩4分【車】松山道 松山ICより20分

道後温泉周辺で楽しめる観光スポット

道後温泉の近くでは松山城があります。そのあとは、少し南の方に足を延ばして、砥部町にいくつかの見どころスポットがあります。

愛媛県立とべ動物園

日本一有名になったシロクマのピース

西日本最大級の動物園で、日本初の人工哺育で育ったホッキョクグマのピースがいることで有名な動物園です。
とべ動物園のサイトにはピースの特集ページもあります。 詳細を見る

しろくまピース

県立なので展示内容が充実しているわりに、入園料が安くておすすめです。
動物園の近くに人気の「えひめこどもの城」もあり、幼児・児童連れの方には丸1日楽しんで過ごせるでしょう。

動物園は朝一がおすすめ。食事シーンが多くみられる。

イベントは昼前以降が多いのですが、開園まもなくの午前中がおすすめです。入園者が少なくて見やすいですし、えさやり時間になっており、各所で食事シーンに出合えます。

餌を食べるカメ
無心にえさを食べるリクガメ
飼育員によるペンギンのえさやり
午前中のペンギンのえさやりタイム
とべ動物園のかば
バックヤードで食事中のカバ

肉食動物が草食動物を見つめる迫力あるシーンが見える

特に注目したのが、アフリカストリートというエリア。アフリカのサバンナを再現したパノラマ展示をしており、現地と変わらない本来の動物の表情や行動が見られます。

ライオンの子ども
肉食獣の子ライオンが見つめる先には・・・
キリン、シマウマ
食事中の、キリン、シマウマなどの草食動物たち。
アフリカストリート
2つのエリアに柵はなく、大きな崖が。自然に近い動物たちの様子を観察できます。
愛媛県立とべ動物園  詳細を見る
所在地:愛媛県伊予郡砥部町上原町240
アクセス:伊予鉄道松山市駅から伊予鉄バスとべ動物園行きで約40分、松山ICから国道33号線を高知方面へ車で約10分
休園日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日~1月1日)

とべもりジップライン

ジップラインで移動すれば楽しいし、時間も節約。

「とべもりジップライン」はとべ動物園とえひめこどもの城を往復するジップラインです。
どちらの施設からもスタートでき、2つの施設を周遊できます。どちらからスタートするかによって料金が少し異なります。
とべもりジップライン

とべもりジップライン
とべ動物園側から見たジップライン

向こう側の茶色の建物がえひめこどもの城です。

とべもりジップライン  詳細を見る
要予約
運行時間:10:00~16:00
休み:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始

砥部焼

普段使いの食器として人気の焼き物、砥部焼。

とべ動物園のある砥部町は国指定の伝統工芸品でもある砥部焼の産地としても有名です。
砥部焼陶芸館や砥部焼観光センター炎の里などでは、展示販売のほか、絵付けや陶芸体験ができるようになっています。

砥部焼体験
砥部焼陶芸館の砥部焼体験

磁器である砥部焼は厚手でぽってりとした重量感があり、味わいのある素朴な藍色を中心とした絵付けが魅力です。
隣県の香川の讃岐うどんの器としてもよく見られます。
過去にスターバックスコーヒーから梅山窯の砥部焼マグカップが出されて人気となりました。今年5月には、伝統を守りつつも、大胆な柄や色づかいで新しい砥部焼を提案し人気のヨシュア工房から、スターバックスのマグカップが発売されました。
伝統と斬新な発想で生まれた砥部焼のマグがJIMOTO Made+に登場https://stories.starbucks.co.jp/ja/stories/2024/jimoto_made_plus24tobe/

砥部焼(梅山窯)
砥部焼(梅山窯)と組子細工

※写真で使用している「組子茶棚」について   詳細を見る

梅山窯の砥部焼は、今放送中のTBSドラマ「笑うマトリョーシカ」に登場する議員会館のセットにも登場しています。櫻井翔さん演じる愛媛出身の清家一郎の背後にしばしば映る、唐草文の大皿が梅山窯の砥部焼です。

砥部焼陶芸館  詳細を見る
所在地:愛媛県伊予郡砥部町宮内83番地
休業日:水曜日、元旦 (水曜日が祝日の場合は翌木曜日が休みとなります)

砥部焼観光センター炎の里  詳細を見る
所在地:愛媛県伊予郡砥部町千足359

アクセス:ともに松山中心街・道後温泉から車で約30~40分

鈍川温泉

隠れ家的なしっとりとした温泉地

鈍川温泉は同じ愛媛県にある温泉郷で、道後温泉、本谷温泉とともに伊予の三湯といわれています。
道後温泉が街の中にあり周辺は観光地として賑わいのある温泉地に対し、鈍川温泉は自然豊かな静かな場所にあります。道後温泉ほど有名ではありませんが、泉質もよく美人湯で名高いアルカリ性のお湯は、程よいぬめりで肌を潤してくれます。

鈍川せせらぎ交流館
日帰り入浴専用の鈍川せせらぎ交流館
鈍川せせらぎ交流館  詳細を見る
所在地:愛媛県今治市玉川町鈍川甲218-1
アクセス:道後温泉から国道317号経由で約30km
休館日:毎月第2・第4月曜日(祝日の場合は翌日以降間近の平日)及び12月31日、1月1日

鈍川温泉周辺で食べられる郷土料理

いのぶたが名物。山の中でもおいしい鯛料理も。

いのぶた鍋

鈍川名物「いのぶた鍋」は猪の雄と豚の雌を交配してできた猪豚の肉と旬の野菜を使った味噌仕立ての鍋です。
鈍川温泉に宿泊施設の食事として出てきます。

いのぶた鍋
いのぶた鍋 (皆楽荘)
いのぶた鍋
いのぶた鍋 (門田旅館)

鯛のかぶと煮

鯛のかぶと煮など、愛媛ならではの鯛の料理が出てくることも多いです。

鯛のかぶと煮
鯛のかぶと煮 (皆楽荘)

道後温泉と鈍川温泉、2つの泉質も環境も異なる温泉を楽しめるルートのご紹介でした。

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